遠野七観音

<遠野物語序文>より

遠野郷には八か所の観音堂あり。一木をもちて作りしなり。この日報賽の徒多く、岡の上に灯火見え伏鉦の音聞こえたり。

 

 明治42年8月25日の夕方、柳田国男は附馬牛からの帰り道に忍峠を越え松崎観音の下を通ったそうです。灯りを持って参詣する人たちに出逢い、岡の上のお堂から鉦の音を聞いたのです。

 翌日、伊能家を訪れた時に色々と訊ねたのでしょう。「八か所の観音堂」は、その時に「七か所」の聞き間違いだったと言われています。

 

 『遠野古事記』によると、平安時代前期、嘉祥年間(848~850)慈覚大師が一本のカツラの木から七体の観音像を刻んで安置したということになっていますが定かではありません。

 

<七観音めぐり>

 男子が二昼夜で遠野三山を登拝する「お山三かけ」に対して、女子が行う信仰であると言われております。

 遠野七観音を一昼夜で巡拝するとご利益があると伝えられています。

 

第1番札所 山谷観音 (大慈山長福寺)十一面観音

〒028-0481 岩手県遠野市小友町40地割

 

おく山や はつすが沢の観世音 仏の誓い あらたなるらん

 

第2番札所 松崎観音 (麦沢山松崎寺)十一面観音

 

 

第3番札所 平倉観音 (谷行山細山寺)十一面観音

 

 

第4番札所 鞍迫観音 (鞍迫山福滝寺)十一面観音

 

 

第5番札所 宮守観音 (月光山平沢寺)千手観音

 

 

第6番札所 山崎観音 (栃内観音・大日山栃内寺)馬頭観音

 

 

第7番札所 笹谷観音 (附馬牛観音・附馬牛山長洞寺)勢至観音

 

 実際に1番札所から順繰りに歩くとなると97.4kmでおおよそ21時間弱の行程です。起点をどこにするかですが、更に行程は長くなります。

 私は原付スクーターで巡ってみましたが、これを自分の足でとなると男子でもきついと思います。

 観音様のお姿を見ることができないのが残念です。写真でもいいですから、見れるようにしてもらいたいです。