【遠野物語拾遺 第123話】
物見山の山中には小豆平という所がある。昔南部の御家中で中館某という者が鉄砲打ちに行き、ここで体中に小豆をつけた得体の知れぬものに行き逢った。一発に仕止めようとしたが、命中せず、ついにその姿を見失った。それからここを小豆平というようになり、狩人の間に、ここで鉄砲を打っても当たらぬと言い伝えられている。
さて、色々と謎の多い物見山である。
阿曽沼氏が遠野から逃げる時も、この物見山を通ったのかもしれない。そして阿曽沼氏が隠してあった軍資金を見つけた話しが池端の石臼になったのではないかという説もある。
大物見にあるストーンサークルも謎のままである。
そして物見山山中の「小豆平」という場所は何処なのか?物見山山中の比較的平らな所であろうと探してみた。昔マイクロウエーブと呼ばれた建物のあった場所から大物見の間ではないかという憶測でその場所を訪れてみた。
小豆平の場所はここだという確信は無い。狩人を寄せ付けたくなかった意図があってこの話が生まれたのかも知れない。