笠通山

【遠野物語拾遺 第一一三話】

綾織村から宮守村に越える路に小峠という処がある。その傍らの笠の通という山にキャシャというものがいて、死人を掘り起こしてはどこかに運んで行って喰うと伝えている。

また、葬式の際に棺を襲うともいい、その記事が遠野古事記にも出ている。その恠物であろう。

笠の通の付近で怪しい女の出て歩くのを見た人が、幾人もある。その女は前帯に赤い巾着を結び下げているということである。宮守村の某という老人、若い時にこの女と行き逢ったことがある。かねてから聞いていたように、巾着をつけた女であったから、生け捕って手柄にしようと思い、組打ちをして揉み合ってうるうちに手足が痺れ出して動かなくなり、ついに取り逃がしてしまったそうな。

【キャシャという妖怪とは?】

ここでキャシャという妖怪と思しき者は怪しい女(前帯に巾着を結び下げている)としているようだが、私が子供の頃見た「ゲゲゲの鬼太郎」では猫のような姿の妖怪で死人の魂を喰うというのであったような記憶がある。

あるいは死者と関わりのある妖怪と言うことは火車(カシャが訛ってキャシャ)に類する物であるかも知れない。

※火車は「生前に重い罪を犯した亡者が地獄へ送られる際に押し込められる獄卒が曳く獄炎の車

小春日和に誘われて笠通山にバイクで行ってみた。

最初は小峠側から林道に入って行ったが泥濘で倒木が路を塞いでいたために断念した。

次に鱒沢の荒谷前、長泉寺からのアタックを試みる。山の神神社までは行けたのだが、その先は濡れ落ち葉でバイクのタイヤが空回りして進めずにまたもや断念

Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。